副業が流行り始めている昨今、私も Lancers(ランサーズ)に登録してみました。
過去には経営コンサルティングの仕事をしていたので調査や分析には慣れていましたし、暗号通貨関連の調査や翻訳ニーズもあるようなので、これはいい副収入になるのではないか、と淡い期待を抱いていました。
しかし期待とは裏腹に、頑張って調査分析したものの3か月報酬が支払われぬまま、クライアント(依頼主)との連絡も途絶えてしまいました・・・
初めての調査ということで結構な工数をかけたので、なんとか回収できないかとあれこれもがいてみましたが・・・
結論として、対応方法はほとんどないようです。
ですので、
- 何が原因だったか
- どのような対応を行ったのか
- Lancersのサポート対応はどうだったか
- 現状
について(恥ずかしながら)書き残し、つらい思いをする人が少しでも減ればよいなと思います。
目次
Lancers(ランサーズ)とは
Lancers(ランサーズ)は仕事をしたいフリーランスと仕事を依頼したい人・会社をマッチングしてくれるサービスです。
相当にコネクションを持っているフリーランスは別として、実力・スキルを持っているフリーランスでも仕事を見つけられなければお金を稼げません。
素晴らしいスキルがあっても営業力があるかは別問題なので、Lancersのサービスは意義深いのではないでしょうか。
と、すでにLancersに関する記事は複数ありますので、詳細は下記などが分かりやすいと思います。
不払いまでの道程
Lancersに登録!早速受注!
経営コンサルティングの経験と暗号通貨関連の知識を生かして副収入を得ようということでLancersに登録しました(登録自体はとても簡単です)。
登録から数週間すると、企業から直接メッセージを受け取りました(下記は受信メッセージを一部マスキング/修正したもの)。
はじめまして!弊社は東京にあるスタートアップです。(https://●●●●●)
貴方のプロフィールを拝見させていただき是非お仕事をご依頼したいと思いメッセージさせていただきました。
概要は以下をご確認ください。
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- ご依頼内容概要:世界的なICOの潮流トレンド及び日本国内でのICOの今後の展望と課題
- 具体的調査内容:上記について海外記事なども含めた全体的なリサーチ及び●●●(企業名)の詳細レポート(ICOの具体的内容と調達金額、ICOに至った外部環境など)
- アウトプット:ソースを明確にしたリサーチレポート(日本語)
- 納期:2/●前後
- 報酬:応相談
いわゆる直接依頼でしたので、意気揚々としました。
そこで私からいくつか質問を行ったうえでプロジェクト開始、ということになりました。
ちなみに報酬に関しては
ということになりました。
調査開始!追加依頼も受注・・・
久しぶりの調査・分析・レポーティングということで気合が入っておりました。
海外の記事を中心に50程のニュースや、複数の文献・書籍を当たり、そこから論理的に導かれる結論まで取り纏めました。
もともと依頼されていた調査に加え、追加でもうひとつ海外事例の調査も依頼されました。
私としてはページ数で報酬がもらえる想定ですので、納期だけ確認した上で快諾しました。この時はむしろうきうきしていましたね・・・笑
さて、10数時間割いてレポートを完成させました。
私がコンサルティングファームにいたときであれば30万円以上の報酬・・・ですが、本件でもそんな報酬は要求しておらず、もっとずっと安いです(会社のブランドがない分当然ですが)
納品、しかしまさかの減額依頼・・・
追加の依頼もありましたが、仕事が忙しくなりそうだったのもあり、納期より早めに納品しました。
充実したコンテンツ・素早い納品、ということでとても充実感がありましたね・・・(自己満)
クライアントからの返信もすぐにあり、「非常にクオリティの高いレポーティングで理解が深まりました」とのことで、やって良かったなと心底思ったのですが・・・
返信には続きがあり、「予算オーバーのため、報酬を減額してほしい」とのことでした。
しかも想定額の1/3以下!
さすがに安いので交渉しましたが、結局60%引き程度で妥協することになりました。。
入金はさらに難航・・・
妥協した後からクライアントからの返信が急速に遅くなります。 催促のメッセージを送ってようやく返信がある、といった具合です。
この時点でそもそも支払い自体が行われないのではないか、という不安に(ようやく)駆られます。
実はプロジェクト開始当初、クライアントから
ページ数がわからないので、報酬は1ページ当たりの単価(想定報酬の数十分の1)で入力しておきました。支払いのタイミングで報酬を更新します。
と言われ応諾していました。
ところが、支払いのタイミングになってから
金額の修正ができませんでした。新たに案件を立て直して、そこで支払います。
と言われてしまいます。
この仕様は確かにそのようです(Lancersサポートにも確認済み)
つまり最初のクライアントの提案がおかしかったのですが、私が応じてしまったのも問題だったのかもしれません。
とりあえず最初に入力された1ページ分の報酬だけ受領しました。
しかし待てど暮らせど一向に新規案件が立ち上がりません。
返信もこの頃からまったく来なくなります。
Lancersのシステム上では、支払いが正しく完了したことになっているので、特にクライアントに催促がいくこともないです。
やむを得ないので、Lancersのサポートに事情を説明し、催促していただきました。
とはいえ強制力はないです(新しく仕事を依頼しろ、なんて催促ふつうはありませんよね)。
さらにやむを得ないので、友人の弁護士に相談し、その旨をクライアントに伝えたところ、ようやく新規案件が立ちあがりました。
ようやくこれで一安心かと思ったら、、、
なかなか仮払いがなされません。
※仮払い:クライアントがLancersに報酬分の金額を先に支払い、Lancersがお金を留保します。フリーランスはこの仮払いが完了してから業務を開始します。そして実際に業務が完了したらLancersからフリーランスに報酬が支払われることになります。クライアント・フリーランス双方が安心できる仕組み、ということになっています。
ここでクライアントからは一切連絡が取れなくなりました。
Lancersのサポートからは、「仮払いが行われない限りこちらからは何もできない」(=仮払いについてはなにもしてくれない)とはっきり言われてしまいました。
結局私は十数時間かけてレポート(40ページほど)を作成し、数千円もらっただけとなってしまいました(時給200円もないですね・・・)
追い打ちの評価制度
Lancersにはクライアント・フリーランスを評価する仕組みがあります。
これは業務が完了した後に行うものなのですが、私は未払い状態でしたので、評価を留保していました。
ところが、あるときクライアントのページを見に行くと、最高評価がつけられています。
Lancersの仕様で、一定期間評価をつけずにいると、自動的に最高評価がつけられるようです。
こちらは報酬を1ページ分しか受け取っていないのに、クライアントは最高評価、となるのはいくらなんでもあんまりです。
評価を信じて受注した別のフリーランスが私と同じ目に合うかもしれません。
これもLancersのサポートに聞いてみましたが、評価の変更は可能、とのことでした。
したがって、不払いがいよいよ現実になったらそのタイミングで評価を変更する、ということでよいかもしれません(いきなり低評価をつけてしまうと報酬を得られないリスクが上がりそうなので・・・)。
ちなみにこの先の打ち手としては、法的手段に訴える、というものがあります。
内容証明郵便を会社に送る、ということも考えられますが、それによって確実に支払いが行われるかというと微妙ですし、
少額を取り返すために弁護士に相談する、というのはお金も手間もかかるので、考え物です・・・
とはいえどうしても悔しい、という人がいらっしゃれば、法律専門家に無料で相談できる公的サービスもありますので、ご参照ください。
私のしくじり(不払いを生んだ原因考察)
直接依頼というのは、当事者間で条件を調整します。
そのため、(私のように)実績が欲しい人、仕事がどうしても欲しい人は条件調整がふわっとしがちかもしれません。
それが間違いのもとです・・・
私の場合、最初に依頼を受けた際に、
- 依頼の背景と目的
- 成果物のフォーマット(パワポなのかワードなのか)
- ページあたり単価
- ページ数
を質問しました。これで先方の予算がわかるはずなのですが、なぜかページ数には反応がありませんでした。
先方の想定ページ数に重ねて質問することはせず、必要な情報をレポートに盛り込むことにしてしまいました。
最初の条件設計をぎりぎりやると、クライアントに逃げられてしまうという不安はありますが、やはり最初は厳しくいかないと、後でとんでもないことになります。。
まとめ(不払いにならないために)
今回の学びをまとめると
- 案件の条件については十分にクライアントと協議する(特に直接依頼は要注意)
- 後で支払い金額を変えます、という打診には応じない
- 支払金額の変更には新規案件の立て直しが必要
- 新規案件の立て直しはクライアントの意向次第であり、新規案件を立ち上げてくれない可能性あり(Lancersは対応しきれない)
- 仮払いもクライアントの意向次第(Lancersは対応しきれない)であり、仮払いされない可能性あり
- Lancersは何もしてくれない(規約上もこういった事象に対応してくれるとは一切書いていません)
- 一応付け加えると、サポートの方は返信も早く、こういう状況でも親身に話を聞いてくれますし、クライアント側に連絡も取ってくれていたようです
- しかしながら強制力はないため、結果的には何もしてくれないのと同じ、という意味で書いています・・・
最後に
フリーランス一本で生きていく、というのはとても大変なことだと痛感しました。
たとえスキルがあっても、お客さんを見つけるのは難しい、というのはわかっていたのですが、まさかお客さんを見つけても支払いを得られることも難しいとは思いませんでした。
Lancersに登録しており、仮想通貨関連調査の直接依頼がある方で、クライアントに不安があれば個別にご連絡ください。 本件のクライアントと同一かどうかお伝えいたします(本当は名前を出してしまいたいですが笑)。