新型コロナウイルス(COVID-19)について、WHOがついにパンデミック宣言を出しました。
新型コロナウイルスはすでに実体経済に影響を与えており、株式市場はその影響の大きさを読み切れず右往左往している状況です。
前回のパンデミック宣言は2009年6月の新型インフルエンザのときです。
このときはどうだったのか振り返ろうと思います。
新型インフルエンザのパンデミック宣言での株式相場
(チャートはTradingView)
当時で言えばリーマンショックの影響もあり、インフルエンザの影響があるとは断言できなそうです。
どちらかというとリーマンショック後の立ち直りの影響が大きいような。
ここから見ると、パンデミック宣言だからすぐに下がるというものではなく、この新型コロナが実体経済にどの程度影響を与えるか(与えそうか)というところに注目すべき、ということでしょうか。
今後の経済指標や各企業の四半期決算に要注意で、コロナウイルス対応により経済活動の停滞が鮮明化したのは2月末〜3月からなので、4半期報告への影響が本格化するのは6月以降になるのでは、と見ています(1〜3月の実績値ではコロナウイルスの影響は1/3程度)。
直近の株式市場
日本
(チャートはiFOREX)
日本は直近数日の最安値を再度伺う展開です。
日本が株を買い支えているにもかかわらず下げています。官製相場はいつか終わるというのは歴史が証明しているわけですが、今回はどうでしょうか。
財政出動が検討されていますが、4月に緊急経済対策を取りまとめる「検討」を始めたとありますが、どうにも動きが遅いように思います。
民間銀行はすでに貸し渋りつつあり、4月から対策の具体化を始めるようでは、運転資金が足りない中小企業や個人事業主にとっては致命的では。
日本の99%は中小企業であり、経済の根幹を担っているので、対策が後手に回ると後々大きな経済的打撃がありそうです。
アメリカ
(チャートはiFOREX)
直近安値を伺う展開です。
ここを抜けるとさらに下げが加速しそうです。
アメリカ・トランプ大統領はイギリス除く欧州からの渡航を停止すると発表するなど、経済活動の停滞が鮮明になりそうです。
ドイツ
(チャートはiFOREX)
昨年安値に迫っており、ここの抵抗はそれなりにありそうですが、
欧州ではコロナの影響が今まさに拡大しているところなので、抜けていくように思います。
中国
(チャートはiFOREX)
コロナウイルスの収束を宣言した中国では株価が切り上げています。
仕事上中国の工場を見聞きする機会があるのですが、その中では工場の稼働自体は本格化しているとは聞きません。
これから経済指標を見ながら上下することになりそうです。
むしろいい売り場になっているのでは、、とも思います。
トルコ
(チャートはiFOREX)
104,090リラあたりが過去のレジスタンスと成っていたように見え、逆にそれがサポートになるかと思いきや、あっけなく抜けて行きました。
中国の工場稼働が停滞している中、トルコが取って代わっている、という話もありますが、
一方でトルコでも感染者が出ているので、
チャートと併せてみるとまだ下げる余地があるのでは、という気がします。
ブラジル
(チャートはiFOREX)
あまり見ていないブラジルなのですが、他国に比べ圧倒的なスピードで下落しており、かつめぼしいサポートが見当たりません。
ほぼ調整もなく下げているので、ここからのツッコミ売りはリスクが高そうですが、とはいえ買いで入るのはまだまだ厳しそうです。
最後に
相場は上下しますが、あくまで戻り売りスタンス、下げたところの値ごろ感の買いは相応のリスクがありそうです。
長期保有するために買い下がるのであれば、ポジション量を減らし、さらなる下げにも対応(=仕込み量を増やせる)できるようにすると良いと思います。