
原油が大暴落しました。
(ほぼ)日次の投資日記にも書きましたが、iFOREXでは自動ロールオーバーされ6月限に切り替わっていたので、5月限の大暴落の影響は(ほぼ)受けませんでした。
さすがに各国対応を余儀なくされておりますし、今回の原油暴落は後々セリングクライマックスだったと言われるのではないかと思います。
原油価格の低迷
需要低迷・供給過剰のダブルパンチを受けています。
(チャートはiFOREX)
年初からの急落ぶりが伺えます。
需要低迷
過去にも触れていましたが、新型コロナウイルスの影響で経済は大きく停滞、それに伴い株価も下落しました。
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人の動きが大きく制限され、工場などの稼働も芳しくないため、エネルギー需要は大きく減少しています。
そのため需給のバランスを整えるための原油減産を行い、価格の安定化を図ろうとしていました(2020年4月9日〜OPECプラスで原油が乱高下【投資日記】 - 投資をテコに、人生ハードモードからの脱却!)
供給過剰
そもそもの発端は3月上旬に開かれたOPECプラスで、サウジアラビアが提案した減産についてロシアが拒否したことから始まっているようです。(ロシアが協調減産を拒否:ニューズウィーク)
いじけた子供みたいですが、それに対し減産を提案した当の本人であるサウジアラビアをはじめとした産油国が一転して増産を始めました(産油国、増産でサウジに続く :日本経済新聞)
それにより、減産の議論が出ていた頃よりもさらに供給が増えてしまいました。
OPECプラスの対応
歯止めの効かない原油価格の下落に対し、OPECプラスがようやく緊急会合を実施し、日量970バレルの減産に合意しました。
過去記事にもリンクをつけていますが、減産量が不十分として、原油価格の下落を抑えるには至っていません。
原油先物大暴落
そのような状況で4月20日に5月限の原油が大暴落しました。
(チャートはMarket Watch)
一時ー40ドル
先物取引で期日がくると、ポジションを持っている人は原油(現物)を引き受けねばならず、
そんなの無理だという人たちがお金を払って原油を引き取ってもらっている、という状況のようです。
逆に言うと原油を引き受けられる設備を持っている人は40ドルもらって原油ももらえ、相場が回復してから販売することができる、ということでしょうか。
需要低迷・供給過多という状況で、保管場所もギリギリの状況のようです。
原油は有毒物質なので、適当に置いておくわけにはいきません。原油を漏らした、となると大事です(工場などで重油などを動力源にしている場合、過去に漏らしたことがないか確認したりします)。
そのため、原油保管が可能なタンカーについては高騰が続いているようです。
しかしマイナスなんて行くんですね、0ドルを見ていたら買っていたような気がします(危ない)。
今後の原油相場
セリングクライマックスの様相を呈した原油ですが、今後はもう少し安定して値固めしていくのではないかと思います。
先物価格は少しずつ上昇
の先物についてはもう少し冷静な価格になっています。
限月 | 価格 |
---|---|
2020年6月限 | 21.26ドル |
2020年7月限 | 27.01ドル |
2020年8月限 | 29.10ドル |
2020年9月限 | 30.32ドル |
2020年12月限 | 32.77ドル |
2021年3月限 | 34.59ドル |
価格は4月20日11時33分時点(出所:Market Watch)
実体経済動向次第ではありますが、すこしずつこの価格に近づいていくのではないかと思います。
特に暴落の要因は需給の問題というより保管コストの問題なので、すこしずつ回復していくように思います。
各国の対応による追い風
直近ではトランプ大統領が原油の備蓄を増やすということを言っています。エネルギー省も7,700万バレルのスペース確保に動いているとのこと。
また、ロシアでは各社に対し、2月時点からさらに20%供給を絞るよう指示している、という報道があります。
さすがに国が動きだす事態となっており、沈静化が期待されます。
実際、5月限もマイナス圏からは脱しています(胸を張れるものでもないですが)。
最後に
先々を見越せば価格も上がっていくでしょうから、どこかで買いで入っていくのもよいのではないでしょうか。
iFOREXは自動ロールオーバーされます(価格調整あり、損ではないですが少しわかりにくい・・・)し、オーバーナイト金利(100バレルで数十円)も安いように思うので、
長期で原油を持とうと思われた方には合っているように思います。