
待ち焦がれていた砂糖先物がようやく上昇してきました。
目先の高値は達成したように見えますが、幾つかの要素を考えるとさらなる上昇もあり得るのでは?と思っています。
まず砂糖先物の値動きを決定する要因は何かを見た上で、それぞれの要素をふかぼりしてみたいと思います。
結論から言うと、価格は上がっていくのではないかと思っています。
目次
砂糖先物の値動きを決定する要因
砂糖先物の値動きを決定する要因は
- 供給
- 為替
- 需要
が挙げられます。
また、砂糖は国際砂糖協定(ISA:International Sugar Agreement)を管理運営する国際砂糖機関(ISO:International Sugar Organization)
砂糖の基本的な政策については農畜産業振興機構(alic)に解説があります。
供給
- 供給が増える→砂糖価格が下がる
- 供給が減る→砂糖価格が上がる
という前提のもと、考えていきます。
最大の生産国はインド、輸出国はブラジル
生産量はインドが一位、ブラジルが二位。一方輸出量はブラジルが1位となり、インドは4位まで落ちます(後述しますがインドは消費量が多い為輸出に回せない)。

(出所:alic)
市場で出回る1/4以上をブラジルがまかなっているようです。
供給に影響をあたえる気候変動、今年は異常気象なし?
気候変動を気にするポイントとして、エルニーニョ・ラニーニャがあります。
- エルニーニョ→雨不足・干ばつになり不作となることが多い→価格が上がる
- ラニーニャ→雨が増え豊作となることが多い→価格が下がる
今年はどちらの可能性も低そうです。
※多雨によって不作になるケースもあるようです(alic)。
エルニーニョになる可能性もラニーニャになる可能性も低いため、気候を材料に価格が動くことは少ない(どちらかというと豊作の可能性?)ように思います(出所:気象庁)。

輸出国ブラジルの新型コロナウイルス対策は遅れている
ブラジルの新型コロナウイルス対応は非常に遅れているようで、自然の成り行きに任せるような状況になっています。
- 「国民7割新型コロナ感染、どうしようもない」 ブラジル大統領、経済再開呼び掛け:時事ドットコム(2020年4月19日)
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新型コロナ死者5000人超に「だから何だ?」 ブラジル大統領に非難殺到 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News(2020年5月2日)
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アマゾン先住民、迫るコロナ危機 無法者が感染拡散の恐れ―ブラジル:時事ドットコム(2020年5月3日)
大統領は経済を優先しており、新型コロナウイルス対応は後手に回っています。
そのような状況によってかえって生産者への負担は増大しているのではないかと思います。
生産者が新型コロナウイルスによって生産できなくなるような状況も起こりうるし、
状況がひどくなれば物流にも影響が現れてくるかもしれません。
新型コロナウイルスの新規感染者数ですが、
トップを走っていたイタリアは順調に少なくなってきています。
日本も減っていっています(よかった)。
一方ブラジルは今なお増えています。
感染は中国から始まり欧米を経て南米やアフリカに広がっていく、と言う話がありましたが、
南米はまさにいま重要なところに来ているのかもしれません。
(トラジェクトリー解析:札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所)
まとめ:供給は暗雲
- 最大の輸出国ブラジルでは、現在も新型コロナウイルスが猛威を振るっており
生産量が落ちる可能性がある - また、気候による相場の影響は低い(豊作の可能性にやや注意)
為替
為替の上げ下げによって価格が変わる
砂糖先物はドルで決済するので、生産国の為替の影響を受けます。
特に最大輸出国のブラジルの通貨:レアルの動向が重要です。
たとえば
- ブラジルレアルが1ドル2.5レアル、砂糖価格は1kg500レアルとすると、砂糖を1kg輸出すると200ドルの売り上げ(500÷2.5=200ドル)
- 砂糖価格は変わらず、ブラジルレアルが1ドル5レアルになった(レアル安)とする
- そうすると、砂糖1kgの輸出によりもともと200ドルの売り上げは100ドルになってしまう
ということで、ブラジルが同じ金額のドルを得るためには、2倍の砂糖を輸出しなければなりません。
したがって、ブラジルレアルが安くなると、供給が増えることが想像されます。
- ブラジルレアルが安くなる→供給が増え、砂糖価格が下がる
- ブラジルレアルが高くなる→供給が減り、砂糖価格が上がる
という可能性があります。
ブラジルレアルは安くなっている
リセッションに入っており、新興国通貨は弱くなっています。
トルコリラも弱いです。
以前はBRICsといってもてはやされてましたが、ブラジルは弱っています。。
それにより、ブラジルレアルは安値を更新し続けている状況です(ドルレアルが高値更新中)。
(チャートはドルレアル。IG証券より)
為替要因でいえば砂糖の下落リスクといえそうです。
まとめ:為替は砂糖安要因
- 対ドルで通貨が安くなると砂糖価格は下がる
- 最大の輸出国ブラジルの通貨、レアルが対ドルで安くなっている
- 為替の観点では砂糖価格は下落しやすい
需要
最大の需要国はインド
砂糖の最大の生産国であるインドですが、その大半を自国内での消費にあてています。

(出所:alic)
したがって、インドの生産が落ちると、インドは国内需要をみたすために輸入せざるをえなくなるということです。
また、人口が増えればそのぶん胃ぶくろも増えるので、消費量は増える方向ではないかと思います。
インドにバッタが迫る
そんな大量消費国インドに、現在サバクトビバッタが迫っています。
これは作物を食い荒らす蝗害(こうがい)といわれており、インドにくると砂糖の生産に大きなダメージを与える可能性があります(他の食物も同様ですが)。
過去にも少し紹介しましたが、アフリカで大量発生したサバクトビバッタはインドの国境付近まで迫っています。
バッタがサトウキビを食い荒らす
↓
インドで砂糖の生産量激減、需要を満たせなくなる↓
インドが砂糖を輸入し、需要>供給となる
ということで砂糖の価格が上がっていくのではないか?
需給だけでなく為替も論点になるのでもっと複雑だとは思いますが、シンプルにするとこんな感じでは。。
おそらくいまも東に向かって進んでおり、影響がそのうち出てくるように思います。
まとめ:需要は増加する可能性
- 最大の生産・消費国インドでは、現在サバクトビバッタが迫り、
生産量が落ち、国内需要をまかなえない可能性がある - 人口増加によって需要が底上げされる
現在の砂糖先物価格
最安値をつけていた砂糖ですが、一気に盛り返してきており、レンジ相場を形成中です。
(チャートはiFOREX)
長期的には依然として安い水準にはあるかと思いますが、
4月2日の高値10.88ドルあたりが上値めどだとすると、現在はまさにその高値付近にいるため、
いったん様子を見て仕込みの機会を伺ってもいいかもしれません。
私は買い下がるつもりで少しずつ買っています。
最後に
供給の減少と需要の増加の可能性をふまえると、
たとえブラジルレアルが弱くなったとしても、
砂糖先物の価格は上がるのではないかと思います。
現在、歴史的に見ても砂糖先物はかなり安い水準にあるため、
仕込みのタイミングとしてはとても良いのではないかと思っています。
なお、砂糖のもとであるサトウキビはバイオエタノールという用途もありますが、
まだまだ研究段階ではないかと思いここでは省略しています。
(バイオエタノール需要が増えれば砂糖に使う分が減るため、砂糖価格は上がる?)
砂糖先物取引には
私が使っているiFOREXは手軽にレバレッジ取引するのに向いていてお勧めです。
まず、初回入金と同額のトレーディングチケットが付与されます。
たとえば10万円を入金すると、証拠金としては20万円(入金額の2倍!)を使って取引が可能です。
iFOREXは最大でレバレッジ400倍かけられるので、実質800倍という超ハイレバレッジが可能です。
ただし、砂糖は市場がオープンのときの最低証拠金は1%なので、最大レバレッジは100倍です。
そして、想定と異なる値動きとなった場合、入金した金額以外を失うことはありません。
また、砂糖をはじめとした商品先物については、自動ロールオーバーされるため商品先物特有の取引を気にせずにトレードできます。